第11回 書籍化のお知らせ and more

当連載を書籍化します! 当連載の書籍化が、実現する運びになりました! 新しい書籍は、慶應義塾大学法科大学院のご出身で、裁判実務、執筆、教育と超人的なご活躍をされている優秀な弁護士の、伊藤建先生、大島義則先生にご賛同をいただき、橋本を含む3名の…

第10回 本案の主張=手続の瑕疵

今回は、行政処分の取消訴訟における「本案の主張」、すなわち、行政処分の取消事由たる違法のうち、行政手続の瑕疵について、整理してみましょう。取消訴訟の訴訟物は(取消請求の対象である)行政処分の違法性一般ですが、行政処分が違法か論証する場合、…

第9回 行政裁量論の基礎(2)

「木を見て森を見ず」 by 宇賀反対意見 前回は、行政裁量の司法統制手法の「標準型」として、判断過程審査について説明しました。この手法を用いた判例として、最判令和3年7月6日民集75巻7号3422頁があります。沖縄・辺野古の埋立承認区域内での造礁さんご類…

第8回 行政裁量論の基礎(1)

判断プロセスの「分節」 今回から、行政処分の実体的違法のうち、行政裁量の司法審査の問題を取り上げます。行政裁量は、行政法以外の法領域へも広がりをもって多様に論じられてますが、当連載では、行政処分の取消事由にフォーカスして検討しましょう。 行…

第7回 行政処分の違法

それでは、2021年9月をもって中断していた当連載を再開します。2021年3月に掲載した第1回連載のタイトルは、行政法の「歩き方」でした。気分を新たに、シーズン2として、また歩き始めましょう! *1 シーズン2では、行政処分の「違法」について考えます。行政…

第6回 第三者の原告適格(その3)

原告適格と仕組み解釈 原告適格論を学ぶ際に大切なのは、行政事件訴訟法の解釈問題のように見えて、実際には係争処分の根拠法令の解釈技術が問われることへの意識だと思います。原告適格の有無の解釈論は、取消しを請求する処分の根拠規定に着眼し、法令が定…

第5回 第三者の原告適格(その2)

遠い情景 前回は、一般的に見られる原告適格論について、整理しました。長沼ナイキ基地訴訟(最判昭和57・9・9民集36巻9号1679頁・行政判例ノート17-2)がひとつの節目ですが、この判決といえば、40年近く前、東京大学での判例研究会を思い出します。高橋和…

次回更新についてお知らせ

弘文堂編集部です。いつも本連載をお読みくださり、ありがとうございます。 諸般の事情により、7月の更新を休載いたします。 次回(8月第2金曜日)更新まで今しばらくお待ちくださいますよう、また、今後ともご愛読のほど何卒よろしくお願いいたします。

第4回 原告適格の基礎(その1)

前回までのふりかえり 当連載では、第1回から第3回まで、処分性(抗告訴訟の対象性)の問題を共通の切り口にしながら、行政法のスキルを学ぶための「指針」、判例による解釈枠組みの整理、実践として予備試験問題の検討を、ひとつのパッケージとして提示しま…

第3回 「同意」の処分性

パーミル(‰)とパーセント(%) 当連載も3回目となりました。そもそも読んでくださる方がいらっしゃるのか不安ですが、何とか脱稿できました。 そんな中、東京大学の和田俊憲教授から、第1回を「読んだ」という連絡がありました。成田新幹線訴訟を取り上げ…

第2回 処分性の基礎

処分性は「基本中の基本」 最初のテーマは処分性です。 処分性は、抗告訴訟の対象となる「行政処分」を画する解釈問題です。処分性は、抗告訴訟(その典型が取消訴訟です)を利用するための訴訟要件で最初に問題になり、行政に関わる紛争について司法的救済…

第1回 行政法の「歩き方」――3つの指針

はじめに 2020年、新型コロナウイルスのまん延により、私の講義も全てオンラインとなる中、『行政判例ノート〔第4版〕』(弘文堂。以下、『行政判例ノート』と記載)を刊行することができました。*1同書は、講義用に配信した教材をベースに、受講された方々…

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